今日、院の同期だったレクシー(2年でマスターを取って卒業し、今は別の学部のラボでラボテクとして働いている)に聞いた話では、同期の一人が自殺未遂をしたらしい。名前を出そうかと思ったけど、プライバシー保護のため、一応伏せておく。とはいっても、このブログで過去に何度か書いた人なので、以下の経過説明で、いつも読んでいる人にはバレバレだろうけど。
先日、僕の住む寮でインド人の学生が一人自殺したと聞いたばかりだけれど、偶然にも同じ先週の木曜日に、これまた僕と同じ寮の一室で、リストカットをして血まみれになっていたらしい。うへー。嫌な偶然。インド人の方は死んでしまったけれど、同期の方はルームメイトがドアを蹴破って助けに入って、命を取り留めたそうな。それでも、切ってから2時間ほどは経過していたらしく、かなり失血していたらしい。考えただけでもゾッとする。
どうやら原因は、先日オーラル試験に落ちて、次の試験(最後のチャンスで、落ちたら強制退学)が来年の1月にあるらしいのだけれど、今年のクリスマスに休暇で帰国しようとしたら、「今のままだと落ちる」と同僚に止められた事、それから、最近彼女に振られた事らしい。彼女、可愛かったのにね。あんまりにも可愛すぎて、他の男に取られちゃったんだろう。
そんなことを書いていたら、たったいま、彼のボスから全学に向けてメールが来た。どうやら、彼の命に別状はないらしい。2時間も放置して助かったと言うことは、傷が浅かったんだな。彼の体力の回復を待って、3日後のサンクスギビングに、彼につきそって帰国するそうな。彼のボスも、彼と同じ国籍なので、ビザとか取らずにすむからできることなんだろう。それにしても、きっちり面倒を見る先生だな。
おそらく、彼はもう戻ってこないだろう。強く生きろよ。
さて、今回の2つの自殺事件は、どちらも留学生が引き起こした。これは、留学の一つのリスクだと思う。同期の方は、オーラル試験で、よっぽど追いつめられていたのだろう。僕も人ごとではない。まあ、僕は先日、あと3年は少なくとも頑張ることにしたので、あと2年半ぐらいは死ぬ予定はない。そのあとは知らないけど。
ところで今のところ僕の知る限りでは、同期18人のうち、オーラル試験に2人落ちて、1人追加試験を食らった。そして、8人パスに不明が5人。残り2人は、いつの間にか学部のHPから削除されていたので、ドロップアウトしたのだろう。もう一人の落ちた女の子は、まさか同じ事をするんじゃあるまいな。彼女もまた、留学生。
そういうわけで、留学というのは、実は、死が結構そばにあるんだな、と思い起こさせる出来事だった。命をかけて死ぬ気でやったら、だいたいどんなことでもできると思うんだがね。あ、でも彼女はできないかな。
「好きです、つきあってください!(命がけ)」
「ごめんなさい」
ぺっ(´д`)、
テーマ:海外留学 - ジャンル:学校・教育
昨日は、夕方から始めた通算6回目の実験が、22時過ぎに失敗に終わった。これまでの結果は、とうていボスに話せるクオリティーではなく、論文にも載せられない。こうなったら、もう1発、最後にやってみよう。というわけで、夜の22時から始めた実験で、色々なファクターがピタリとキレイにはまり、世にも美しい測定結果が得られた。
いつもなら、測定開始からすぐに沈殿が出始め、測定結果が乱れ出すのだけれど、今回は、どういうわけか沈殿がうまい具合に端にまとまってくれたため、スペクトルにノイズがほとんど入らなかった。まだ、サンプルの沈殿による計算結果の誤差の不安はあるものの、測定自体の誤差は、限りなく低く抑えられたと思う。沈殿の量もそこまで多いわけじゃないので、たぶん、誤差の範囲内で正しい事象を観察しているといえると、個人的には思う。これは、明日、ボスと話をしてみないと。
結局、いつもなら4〜5時間でもはや測定できないレベルになるところが8時間以上トレースすることができ、かなり精密な結果が得られた。そういうわけで、全てが終わったのは朝の7時半だった。実験がうまくいかない時は、たまに死にたくもなるけれど、今日のようにうまくいっている時は、全く疲れを感じない。あと3年、30歳ぐらいまではこれぐらいの無茶も結構できるかもしれないな。
ところで、測定の合間の待ち時間が暇だったので、ネットサーフィンをしていたら、すごく面白い動画があった。タイトルは、
【VIP】 うちの母ちゃん凄いぞ 〜クズニート更生記〜
テキストベースのまとめサイトはコチラ。
http://mudainodqnment.blog35.fc2.com/blog-entry-804.htmlこの母ちゃんは、マジでスゴイ。人として、親として、その言動の全てが素晴らしい。感動の名作と呼ばれる、あのマザー2をやっても泣かなかった(というか泣き所がわからなかった)僕が、涙をこらえきれなかった。また、声を出して笑っちゃうような場面もあり、文字通り、笑いあり涙ありの素晴らしいストーリーだった。
電車男、
ブラック会社につづいて、この話もたぶん数年以内に映画化されるんじゃないかな。4時間ぐらい暇な方は、是非、見てみると良いと思います。
テーマ:海外留学 - ジャンル:学校・教育
月曜にボスに報告するために、今週は週末も実験をしている。過去の似たような研究をやっている論文によると、タンパクに試薬を加えた後、平衡に達するまで10〜15分待ってから測定しているという記述があったので、それに倣ってやっているのだけれど、時間がかかってしょうがない。その論文では、30時間以上トレースしているので、たぶん2人がかりで昼夜ぶっ通しでやっているのだろう。僕の場合は、せいぜい4,5時間だけど。
問題は、やはりこの試薬でもタンパクが徐々に沈殿していくということだ。サンプル中に浮遊する白い沈殿によって測定スペクトルが乱れ、そこから導き出されるプロットも乱れ、結果的に計算結果もずれる。どこまでこの実験結果を信用して良いのか、イマイチわからない。また、測定で見ているのは、内部標準試薬とタンパクの濃度の比なので、タンパクが沈殿すればその比にも影響を与えるはずだ。いまのところ、計算結果は、下は210から上は250ぐらいの間でかなりばらついている。
今日は、今から夜23時ぐらいまで、最後のセットの測定をする。明日もやりたいところだけれど、別の人が装置を使うそうなので、今日中、あるいは最悪、明日の朝までにけりをつけなければ。結果如何によっては、人生二度目の徹夜になるか・・・?(ちなみに、人生初の徹夜は、中学時代にバハムートラグーンをクリアした時だった。)
テーマ:海外留学 - ジャンル:学校・教育
今日と明日は、夜遅くまで実験の予定。来週の月曜にボスが2ヶ月ぶりにラボに来るので、それまでに結果を出して報告せねばならない。
日本の理学部では、深夜までラボにいることは当たり前のことのようだったけれど、アメリカではほとんどそういうことはないので、久々にこうして22時過ぎまでラボにいると、かなりしんどく感じる。(日本で1日12時間以上実験していた時より、こっちで1日8時間実験している方が、圧倒的に結果が出ているのは、環境のせいだろうか。ボスの能力の差かな。)
ところで、今やっている実験では、1ヶ月前に自作した試薬を使っているのだけれど、どうやら保存している間にちょっと酸素と反応して効能(?)が薄れてしまったらしく、10倍希釈して使うと、あまり反応が進まない。そういうわけで、先ほど2倍希釈の試薬を作って、実験を継続中。微量の試薬をタンパク溶液に加えて、平衡状態に達するまで10〜15分待ち、測定。そしてまた試薬を加えて待つという作業の繰り返し。待ち時間ばかりで、だいぶ暇だ。今日は、終了まで、あと1時間はかかる。
明日は、別の化合物を添加して同じ測定を行い、その添加物の有り無しで反応が変化するかを確認する。土曜日は、買い物やら洗濯をしないといけないので、ちょっと時間を調整せねば。
-----23時48分追記
・家の近くで自殺事件があったらしい
今、ラボから帰ってきたら、玄関のドアのところに張り紙があった。なんでも、うちの寮の建物群で昨日、自殺者が出たらしい。22歳のUndergradということは、4年生か。なにがあったのやら。
ちなみに、うちの寮の建物群は全部で6棟で構成され、それぞれに24部屋ずつある。144部屋のうちの1つに僕が住み、残りの143部屋のどこか、しかも100m圏内で人が死んだということだ。ちょっとショック。カウンセリングを希望する者は速やかに連絡してくださいとのこと。
テーマ:海外留学 - ジャンル:学校・教育
今日は結晶を凍結する日。タンパク質の結晶は、X線をタンパク質の結晶に当てて、結晶内部の原子の配置(=たんぱくの構造)に従って得られる回折像を解析して、そのタンパクの構造を計算する。専門外の方々のために大雑把に言うと、真っ暗な中でテーブルの上の果物に懐中電灯で光を当てて、反対側の壁に映る影から、その果物がどんな形をしているか当てるような感じ。懐中電灯がX線の光源、果物がタンパク質の結晶、影が回折像だ。科学的には全然違うけど、やってることはそういうイメージだろう。
ところで、X線というのは、非常に短い波長を持った光で、高いエネルギーを持っている。紫外線が10〜400nm、可視光が400〜800nm、赤外線が800〜1000nmの波長を持つところ、X線は0.001〜10nmぐらいだ。つまり、激烈な紫外線のさらにもっと強力なやつ、と言ったらわかりやすいだろうか。
そういうわけで、エネルギーが高いX線を結晶に照射すると、あっという間に結晶が燃え尽きる。故に、こうして結晶を凍らせて、より長い時間測定できるようにしようとしているわけだ。
手順としては、結晶をプレートからすくい取り、それを液体窒素につけて瞬間凍結をしてキャップをつけてしまう、あるいは、すくい取った後にクライオコンディションの溶液に30秒つけてから液体窒素で凍らせるという流れだった。
しかし、今回の結晶は、96穴のスクリーニングプレート上にしかできなかった。1つの穴に入っているサンプル量は、驚きの400nL(=0.4uL=0.0004mL)。そこに溶液があるのか、もはや目では見えない。穴のサイズも非常に小さく、結晶すくいは困難を極めた。横でアシストしてもらっているナサニエルに、「過去にこのサイズのプレートから結晶を取ったことはあるの?」ときいたら、「成功したことは一度もない」だそうな。うぉぉぉい!

そういうことは前もって言ってくれYO!
ともかく意を決して、0.1mmの輪っかが先端についている器具で結晶をすくい取ろうと試みる。しかし、指先の僅かなふるえが、顕微鏡下では、非常に大きなスイングになり、一発目のトライでは、結晶を1つ破壊してしまった。綺麗な六角柱の結晶がー

輪っかが結晶にぶつかり、さらにそのまま壁に激突して、文字通り粉々になった。
しかし、凹んでいる暇はない。急いで作業しないと、どんどん結晶溶液が蒸発して、他の結晶まで使い物にならなくなってしまう。そうこうして10分弱の間に7個の結晶をすくい取って凍結することができた。
ただ、そのうちの半分はサイズ的に構造解析には厳しいかもしれない。すべては、12月4日か5日の深夜に、測定して初めてわかる。1つでいいから、2オングストロームぐらいの解像度で回折像が得られないかなぁ。
テーマ:海外留学 - ジャンル:学校・教育